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「誰にも見られない庭」 アーチスト 日比野 克彦
2010.11.29
誰にも見られない庭があった。
その庭のある家は5年の間、主を持たず時間が過ぎていた。
その間、誰も手を入れることなく、誰も入ることなく、
だれも見ることもなかった。
私がその庭に立ち入った時、足が止まった。
荒れたその庭に驚いたのではない、
その庭の紅白の梅の見事な色に目を奪われたのだ。
あの梅の色はなぜあれほど鮮烈であったのだろうか・・・。
花は誘うために生まれてきたものである、
見られてこその、目立ってこその花である。
誘ってこその花の営みである。
視線を集めることで花の役割が成り立つ。
しかしこの紅白の梅は見つめられることなく過ごしてきた梅である。
だからこそ、人に見られていなかったからこそ、
その花の、その紅白の色が純粋に培養されていたのではないだろうか・・・。
庭とは現生の者が立ち入れない、もうひとつのあちら側の世界である。
しかし、この時出会った庭は、
「立ち入れない庭ではなく、立ち入らなかったから現れてきた庭」
がそこにあった。
日比野克彦
アーティスト
1958年岐阜市生まれ、アーティスト。東京芸術大学大学院修了。1980年代に領域横断的で時代を反映した作風で注目を浴びる。作品制作のみならず、パフォーマンスといった身体を媒体にした表現を行うなど、表現手段に束縛されずに自己の可能性を追求し続けている。
1982年 第3回日本グラフィック展大賞
1983年 第30回ADC賞最高賞
1986年 シドニー・ビエンナーレ、
1995年 ヴェネチア・ビエンナーレに出品。
2005年 水戸芸術館現代美術センター(HIBINO EXPO)
2007年 金沢21世紀美術館(「ホーム→アンド←アウェー」方式)、霧島アートの森(日々の旅に出る。)、熊本市現代美術館( HIGO BY_ HIBINO)
2008年 金沢21世紀 美術館で(「ホーム→アンド←アウェー」 方式meets NODA[But-a-I])では美術館と劇場を行き来する実験的な試みを仕掛けた。
2009年 夏 東京芸術劇場に金沢で制作した[But-a-I]を移設し、美術館と劇場と街を行き来する実験的な試みを仕掛けた。7月には鹿児島・種子島にて皆既日食に合わせ2艘の「種は船」を洋上で出会わせる「時の芸術祭」を監修。「開国博Y150」(横浜)のアートプロデューサーとして「横浜FUNEプロジェクト」監修。
2010年 サッカーW杯の会場・南アフリカへたくさんの人と作り上げたMATCH FLAGを届け、ワールドカップのスタジアムでムーブメントを起こした。瀬戸内国際芸術祭では、瀬戸内の海底に焦点をあてたプロジェクト を長い期間をかけて展開する予定。舞鶴において、2012年を目標に海を移動できる「種は船」の造船も始まる。
2003年に始まり8年目を迎える「明後日朝顔プロジェクト」も全国22地域で展開し、精力的に全国を駆け回っては、受取り手の感受する力に焦点を当て、様々な地域の参加者と共同制作を行いながら社会で芸術が機能する仕組みを創出する。
作品集・著書に『HIBINO』『HIBINO2』『海の向こうに何がある』『100の指令』『日常非常日(ピジョッピジョッピ)』(朝日出版社)、『えのほん』(三起商行/ミキハウス)、『KATSUHIKO HIBINO』(小学館)、『8万文字の絵 -表現することについて-』(PHP新書)、『HIBINO LINE』(玄光社)、 『ひ ESSEY OF KATSUHIKO HIBINO』(淡交社)など。 近著として『Yesterday Today Tomorrow』(リトルモア)、 『HIBINO EXPO 2005 日比野克彦の一人万博 記録集 』(水戸芸術館現代美術センター)、『FUNE』(西日本新聞社)、 『HIBINO DNA AND・・・「日比野克彦応答せよ!!」』(岐阜県美術館)、 『日比野克彦展「日々の旅に出る。」(鹿児島県霧島アートの森)、『あしたの君へ』(新潟日報)、『日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式 記録集』、『日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式meets NODA[But-a-I]記録集』(金沢21世紀美術館)がある。
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プロフィール
名前:
全日本庭サミット 庭JAPAN
誕生日:
2008/01/06
自己紹介:
心に庭をもつ
すべての人たちの
庭としての巣
それが
庭JAPAN
・・・・・・・・・
庭JAPAN参加者紹介のページは参加された方のみに公開しています。
IDとパスワードを入れてご覧下さい。
ご不明な点は m28e まで↓
info@m28e-tsukuru.jp
tel 0586-82-6582
fax 0586-82-6583
・・・・・・・・・
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